2012年5月21日月曜日
不眠症のアーユルヴーダ概念
アーユルヴェーダはインドより伝わる自己治療の科学であり、それによると、不眠症は体内システムにおける毒素、栄養の足りない食事、消化機能の低下、神経システムのアンバランス、ストレス、免疫力の低下、体内リズムの崩壊がその根源になります。アーユルヴェーダでのアプローチとして、体の自然治癒力を再活性化し、その他の不調を防ぐことによって、健康は維持されるとみなします。健康の一番いい状態は、ライフスタイルと食事を調整し、自然薬としてオイルやハーブを使うことによって得られます。
慢性的な不調の多くは、不眠症を含めて、体内組織の中に毒素が蓄積し、また細胞の新陳代謝がよくないときに発症します。さらに、毒素の蓄積は、体内の循環および排泄のチャンネルふさいでしまいます。これによって適度な栄養が妨げられて組織に流れず、また浄化作用からくる不純物もそこで止まってしまいます。毒素の蓄積は、消化機能の低下、消化不良、排泄機能の低下、新陳代謝の悪化、精神および身体的ストレスからくるものです。
この本文、睡眠のヨガ哲学、マインドへの栄養、3つのドーシャの睡眠パターンでは、不眠症に対する可能な改善法に独特の観点をそれぞれ付与してあります。このディスカッションに加えて、良い睡眠を得るためのその他についても提案しています。アーユルヴェーダは、伝統治療におけるあらゆる生活を含めて、深い部分から日常の事柄まで全てを網羅するのです。
アーユルヴェーダとマインド
アーユルヴェーダでは、3つのグナと呼ばれる3種類の性質があり、それらは絶えず作用し、私達の睡眠に影響します。サットヴァ(satva)、ラジャス(rajas)、タマス(tamas)です。これらは一般的に、気分を明るくさせる軽い上向きのエネルギー、活動的なエネルギー、怠惰で不活発なエネルギーにそれぞれ対応します。私達は自分たちの経験、まわりにあるもの、メディアから、常に私達の世界の印象を取り込んでいます。こういった印象は私達の中に残り、瞑想やマントラ、休養、くつろぎ、睡眠を通して繊細かつ微妙なレベルで消化されていきます。アーユルヴェーダでは、こういった理由から、サトヴィック(サットヴァ的)なエネルギーを自分のまわりに高めることが最適なのです。サトヴィックなエネルギーは、精神システムの消化をより軽く簡単にし、繊細かつ微妙なレベルで私達に栄養を与えてくれるのです。
例えば、もしホラー映画を見に行き、心からぞっとすると、その印象はあなたの中にとどまり、しばらくの間あなたは恐怖を感じ続けるでしょう。こういったタマスティック(タマス的)な印象は、その映画が終わった後でも、あなたを長く不安にさせ、乱し続けるでしょう。ですから、もしよく眠りたいのであれば、心を乱すような映画は見ないことです。
逆に、もし友達と丘の中腹の公園へ散歩に行き、鹿を見たり、鳥の鳴き声を聞いたり、花や美しい夕陽を眺めると、この気分の良いサトヴィックな印象はあなたの中にとどまり、しばらくあなたをポジティブに育み続けるでしょう。またこの印象であなたはより穏やかに眠れるでしょう。
身体のためによくバランスのとれた食事をとることは大切です。また自分の環境の質や、自分がどのようにサットヴィックなエネルギーやマインドへの良い栄養を吸収しているか、気づくことも重要です。まわりのエネルギーがどのように自分に影響しているか、より意識をもっていくということです。ポジティブなエネルギー、特に身近な人から受ける良いエネルギーに育まれることはとても大切です。こういった理由から、いい影響を与えてくれる人と一緒にいたり、繋がっているのもまた大事なことです。アーユルヴェーダでは、このような栄養がエネルギー体を育てるのです。
睡眠状態のヨガ的視点
ヨガ哲学では、4つの体があります。粗大身(gross body)は私達の物質的な肉体をさし、目覚めている状態を経験します。微細身(subtle body)は夢の中の状態に関連します。原因身(causal body)は深い睡眠状態と関係があります。さらにもうひとつ、超原因身(supra causal body)と呼ばれるエネルギー体があり、これは瞑想の超意識の状態に関するものです。
これらのエネルギー体は、眠るときに私達がどこに行くかを説明します。夢の状態は、目覚めている状態のように限りなくリアルです。しかしながら、一旦目が覚めてしまうと消えてしまいます。同様に、目覚めている状態から睡眠に入ると、目覚めている状態も消えてしまうのです。このように、ヨガ哲学では、目覚めている状態も夢の状態も、どちらもまるで「本物」ではないのです。むしろ、それが目撃者の意識状態で、真実の気付きの状態であり、目覚めと夢の両方に広がっているのです。ですから、寝る前に目撃者の状態で瞑想し、色々な考えや不安、緊張を意識的に手放すと、その結果、より穏やかな心の休まりを経験し、より爽やかな気分で目覚めるでしょう。たった数分でも真の瞑想をして、目撃者の状態を経験すると、8時間睡眠と同等の価値があるといわれています。リフレッシュされる感覚と回復されたエネルギーは、瞑想を通した深い内面状態を経験することからくるのです。ですから、もし眠れないときは、瞑想をしましょう。
3つのドーシャの夢と睡眠パターン
もし自分がどのアーユルヴェーダのドーシャが分からない場合は、数週間前にサンガ・ブログに投稿した質問事項に従って、あなたのドーシャを決定してください。各ドーシャによって、夢と睡眠パターンの性質は異なります。
ヴァータ:夢に飛んだり、動いたり、絶え間のないものが含まれ、また悪夢もあります。睡眠は浅く、不眠症の問題があるかもしれません。一般的に、ヴァータ・ドーシャは6-7時間の睡眠が心地よいとされています。
ピッタ:夢は色彩豊かで、情熱的、そして争いごとが含まれるかもしれません。睡眠は平均的で、もし目覚めても、すぐに眠りにつけます。一般的に、ピッタ・ドーシャは7-8時間の睡眠がいいとされています。
カパ:夢はロマンチックでセンチメンタル。夢をたくさん見るのではなく、ほんの幾つか見るでしょう。睡眠は深く、起きるのが困難です。一般的に、カパ・ドーシャは長い眠りを好みますが、8-9時間の睡眠が最適です。
もちろん、同様に睡眠パターンは一生の中で時期によっても変わってきます。例えば、赤ちゃんは一日に15-16時間、子供は一日に10時間寝るでしょう。高齢になると、続けて4-5時間以上寝るのが困難になります。
良い睡眠を習慣にする一般的なガイドライン
毎日の規則正しいスケジュールを立てましょう。寝る時間と起きる時間は、毎日同じにします。ドーシャは時間帯によってそれぞれ変動するので、夜10時までに就寝し、夜明けの6-8時の間に起床するのが理想です。
毎日の生活をシンプルにしましょう。心配事が少ないほど、より穏やかに眠りにつくことができます。ベッドの横にノートを置くようにして、忘れそうなことはリストにして書き出しておきましょう。こうすれば、忘れないか心配せずにすみます。
バランスのよい食事をとりましょう。カフェイン、アルコール、砂糖、お菓子やスナック類は最小限にします。
ヨガやウォーキング、水泳、自転車など適度に運動をしましょう。
瞑想とプラナヤマの決まった時間をつくり、毎日実践しましょう。
寝室を素敵に、心地よく、リラックスできる空間にデザインし、心を乱すものは省きましょう。
就寝1-2時間前には、テレビやコンピューターの電源を切り、寝る準備を始めましょう。その他の電化製品や携帯電話も棚に置き、照明は暗めにしましょう。
優しい、気分が落ち着く音楽や、ネイチャー・サウンドを聞いて、カモ―ミールなどのハーブ・ティーを飲みましょう。もし乳製品が好きならば、温かいミルクを飲みましょう。
炭水化物を多く含むスナックを食べるのもいいでしょう。全麦のクラッカーやパンを、寝る2時間前に、ギーと一緒に食べます。
リラックスできるバスソルトを入れた、温かいお風呂に入り、足をマッサージしましょう。
(温かい)セサミ・オイルまたはアーモンド・オイルで、頭と足をマッサージして、靴下や帽子をかぶって皮膚に浸透させましょう。
ラベンダー・エッセンシャル・オイルを枕カバーに数滴落とし、神経を鎮めましょう。
眠りにつくまで、マントラを唱えましょう。私は自己に尊敬をこめて頭を下げます Om Namah Shivaya 、または障害物を取り除いてくれるガネーシャへのマントラ Om Gam Ganapataye Namahを用います。マントラを唱えることで、私達は微細なエネルギーと調和しやすくなります。また過去に捉われたり、未来を案ずることなしに、今この瞬間に存在することができるのです。
ベッドの横にノートを置くようにして、眠りの妨げになりそうな、どんな考えや問題事も全て書き出しましょう。これを寝る前に行い、また夜中に目が覚めたときにも行います。解決策のアイデアと一緒に問題事を書き出し、眠りにつく時は、それらを手離します。
アーユルヴェーダ・キッチャリ
胃にやさしく浄化作用のあるキッチャリは、体内システムの毒素を排除する効果があります。キッチャリ・スープの材料は、穀物、豆、香辛料です。消化されやすく、またタンパク質を供給してくれます。この作用のおかげで、身体バランスを再構築するために、毒素が体内システムから排除されるのです。以下に簡単なキッチャリのレシピを紹介するので、試してみてください。
簡単なキッチャリの作り方 (ヨガ・キッチン P.179 より)
4-6人分
鍋にキッチャリの材料を入れます:
水 4カップ
ムング豆 ¼ カップ
バスマティ・ライス ¼ カップ
ターメリック 小さじ1
塩 小さじ1
粉末状のコリアンダー 小さじ1
シナモン 小さじ ½
粉末状のカルダモン 小さじ ½
細かく刻んだシラントロ 大さじ3
細かく刻んだ生姜 小さじ1
別のパンで軽く炒め、そしてキッチャリに加えます:
クミン・シード 小さじ ½
ギー 大さじ1
種が軽くはじけるまで炒めます
(お好みで)野菜をキッチャリに加えます:
さいの目に切った玉ねぎ ½ カップ
さいの目に切った人参 ½ カップ
ある程度に切ったインゲン豆 ½ カップ
鍋に蓋をし、中火で30分、あるいは米、豆、野菜が柔らかくなるまで煮込みます。
新鮮なガーデン・サラダまたは蒸し野菜と一緒にいただきましょう。
免責事項
古来インドより伝わる自己治療の科学であるアーユルヴェーダの実践は、体、感情、マインドの各々の調和をもたらすために、刻々と変化する天気やストレス、出来事を考慮するものです。ですから、今回このブログに投稿したものは、ただ刺激を与えるものにすぎず、個人の探究をさらに駆り立てるだけのものです。結局のところ、人は心身の健康や幸福をはかるバロメーターをそれぞれ持っていますが、医者のアドバイスに取って代わるものではありません。今回のブログの内容はインスピレーションのためというだけで、生活スタイルのいかなる変更や食事については、直接ケアしてくれる人にまず相談するのがよいでしょう。
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